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相続した不動産を売却する方法を解説|手続きの手順や気になる税金対策も

相続した不動産を売却する手順

慣れ親しんだ実家や土地などの不動産を相続した場合、相続人自身が暮らしたり、第三者に貸して運用するケースもありますが、活用が見込めない場合には「売却する」という選択肢も考えられます。

相続した不動産(住まいや土地)を売却するためには、売り出す前に規定の手続きを行わなければなりません。元々自分が所有している不動産を売却するケースとは異なり、誰が相続するかを決めたり、公的な相続の手続きを行う必要があるのです。

また、相続してから売却するまでの期間によって税制上の特例を受けられるかどうかが変わってくるので、金銭的な負担を軽減するためには事前に制度を理解しておくことが大切です。

大切な人を失った悲しみが癒えない期間に様々な決断や手続きを行うことは簡単なことではありませんが、一つひとつの手順を確認して売却を確実に進めましょう。

相続した不動産を売却する流れ

一般的に、相続した不動産を売却するためには、下記の手順で手続きを行います。

  1. 遺産と法定相続人を確認する
  2. 必要書類を用意する
  3. 相続人を決める遺産分割協議を行う
  4. 相続登記の申請を行う
  5. 不動産の売却活動を始める

名義変更が済んだあとの売却活動の流れは、自身が所有している不動産を売却する場合と同じです。こちらについては、「不動産売却を成功させる10の極意!今すぐ実践できるコツを徹底解説」で詳しくご紹介しているので、合わせて参考にしてください。

こちらの記事では、1〜4の工程について解説していきます。

1.遺産と相続人を確認する

はじめに、被相続人(亡くなった方)の死亡届を死後7日以内に役所に提出します。この時、死亡の事実を証明する「死亡診断書」が必要です。亡くなった際に入院していた病院やかかりつけの病院の医師に発行してもらいましょう。発行手数料は、病院によりますが3,000円〜10,000円程度が相場になっています。

また「昨日まで元気だったのに、突然亡くなった」という場合には、警察による検死が行われることもあります。死因調査の後に発行される「死体検案書」は「死亡診断書」とほぼ同じ内容が記載され、同じ役割を果たすものです。遺体の搬送費用や保管料といった諸経費がかかるため、発行時は30,000円〜100,000円程度支払うことになります。

死亡診断書・死体検案書のいずれかが発行されたら、必要事項を記入。金融機関や保険会社の手続きで必要になることがあるので、役所に提出する前に複数コピーをとっておきましょう

続いて、相続財産(遺産)の調査を行います。遺言書が残されている場合には、その内容を確認。遺言書の内容に則って分配・相続することになります。

遺言書が残っていない場合には、どういった相続財産が残っているか確認します。不動産をはじめ、現金や預貯金、投資信託など考えうる項目を一つひとつ調査していきます。通帳や郵便物を確認したり、金融機関や保険会社に足を運んだりと、それぞれ手間がかかりますので、相続人が複数いる場合には手分けして調査するのもよいでしょう。

また、プラスの遺産だけでなく、ローン債務や税金の滞納金などマイナスの遺産がある場合もあります。特に債務については調査に時間がかかるケースがほとんど。相続放棄の手続き期限は3カ月以内と決められていますので、被相続人の借金がプラスの遺産よりも多いケースを考え、調査は迅速に進めましょう。

遺産の調査と並行して、相続人を確認します。こちらも遺言書があれば、故人の指定のとおりに相続を行います。

遺言書がない場合は、基本的に法定相続人同士で遺産分割について協議することになります。法定相続人とは、民法で定められた被相続人の財産を相続できる人のこと。配偶者は常に法定相続人となり、それ以外の相続順位は下記となります。

第1順位…子ども、代襲相続人となる孫・ひ孫などの直系卑属
第2順位…親、祖父母などの直系尊属
第3順位…兄弟姉妹、代襲相続人となる甥・姪などの傍系血族

直系卑属というのは、被相続人から見て直系の下の世代で子どもや孫、ひ孫のこと。直系尊属というのは、被相続人から見て直系の上の世代で、親や祖父母のことです。

たとえば、被相続人が亡くなる前に子どもが亡くなっていて孫がいる場合には、親や祖父母よりも孫が優先されることになります。

法定相続人を確定させるためには、出生から死亡するまでの連続した戸籍謄本を確認します。転居や結婚によって転籍することがあるため、本籍地を辿ってすべての戸籍謄本を取り寄せましょう。

2.必要書類を用意する

遺産相続の手続きには、多くの書類が必要です。これは、次の工程となる「遺産分割協議書」を作成するためです。書類をそろえるには手間と時間がかかることも往々にあるので、早めに手配を進めるのがよいでしょう。

相続の手続きに必要な主な書類は、下記の通りです。

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのすべて)
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続人全員の戸籍謄本(被相続人が亡くなった日付以降のもの)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続人全員の住民票の写し
  • 遺言書もしくは遺産分割協議書
  • 対象不動産の登記事項証明書
  • 不動産を相続する人の住民票
  • 固定資産評価証明書

遺産分割協議の必要書類集めは、非常に負担が大きい作業です。特に、相続人が高齢の場合や故人と離れて遠方で暮らしていた場合には、スムーズに進めることは難しいのではないでしょうか。そんな時には、司法書士や弁護士、行政書士といった専門家に書類集めを依頼することも可能です。上記全てではなく、特に手間のかかる被相続人の戸籍謄本集めなど、一部を任せることも可能です。

3.相続人を決める遺産分割協議を行う

法定相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議を行います。遺言書がある場合にはそれに則って財産を分けますが、そうでない場合には、相続人同士の話し合いで分割方法を決定します。預貯金など現金化されているものであれば比較的分けやすいのですが、不動産は価値が分かりづらいため、難航する傾向があります。

不相談の遺産分割方法は、次の4つが一般的です。

  1. 現物分割…不動産を相続人の一人が取得する
  2. 代償分割…不動産を相続人の一人が取得するが、他の相続人に対し、相応の金額を支払う
  3. 共有…不動産を相続人で共有する
  4. 換価分割…不動産を売却し、売却代金を相続人で分割する

不動産は使い道がなくても、保有しているだけで固定資産税や維持管理費がかかります。そのため、売却して現金化し、それを相続人で分配する「換価分割」を行うケースも。その場合にも、故人の名義のまま売却活動をすることはできないので、一旦相続人を決め、名義変更の手続きをする必要があります。

後々のトラブルを防ぐため、協議の中で「誰が相続するか(名義人になるか)」「売却代金はどれくらいを希望するか」「いつまでに売却するか」「誰がどれだけ相続するか」という項目も決めておきます。話し合いがうまくまとまったら、遺産分割協議書を作成しましょう。書式に特に明確なルールはありませんが、土地や建物などは登記簿藤本に記載されているとおり、正確に記載します。相続人全員が署名捺印を行い、分割協議は完了となります。

4.相続登記の申請を行う

不動産を売却する場合にも、相続登記を行います。これは、不動産の所有者を相続人の名義に変更する手続きです。

相続する不動産の登記事項証明書を取得し、遺産登記申請書を作成。法務局の窓口や郵送で相続登記申請を提出すると手続き完了となります。

こちらの手続きは相続人自身で済ませることも可能ですが、司法書士などの専門家に依頼するケースが一般的。必要書類の収集など他のサポートと合わせて相談しておけば、名義変更もスムーズに進むでしょう。

5.不動産の売却活動を始める

上記でも触れましたが、名義変更が済んだあとの売却活動の流れは自身が所有している不動産を売却する場合と同じです。こちらについては、「不動産売却を成功させる10の極意!今すぐ実践できるコツを徹底解説」で詳しくご紹介しているので、合わせて参考にしてください。

不動産を相続・売却する場合にかかる税金とは?

ここからは、相続した不動産を売却する際にかかる税金についてご案内します。

亡くなった方が遺した財産を相続した場合、また亡くなる前3年以内に贈与を受けた場合には相続税がかかります。分配前の遺産総額からマイナスの財産と葬儀費用、基礎控除額を差し引いた金額が課税の対象となります。

基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で算出され、分配前の遺産総額から基礎控除額を差し引いた額がマイナスになった場合、相続税は発生しません。

相続税申告の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内。被相続人が生前に住んでいた管轄の税務署に申告し、金融機関で納付しましょう。

相続税のほか、不動産の売却時には代金に応じて売買契約書に貼る印紙税も発生します。こちらは、売却金額が500万円超1,000万円以下で10,000円、1,000万円超5,000万円以下で20,000円となっています。

さらに、売却で利益(=譲渡所得)が発生した場合には、所得税・住民税が発生し、確定申告を行う必要があります。こちらについては、「不動産を売却したら確定申告!タイミングや必要書類、手続きの手順を徹底ガイド」で解説していますので、お役立ていただけたら幸いです。

相続した不動産を売却した時に使える特例

不動産を売却した際に使える可能性のある特例はいろいろありますが、ここでは代表的な2つの特別控除について解説します。

その1:取得費加算の特例

不動産を売却して得た譲渡所得に対して所得税が発生することを上述しました。

譲渡所得は下記の計算で求められます。

◆譲渡所得 = 譲渡収入金額−(取得費 + 譲渡費用)

この取得費というのは、不動産を取得した時にかかった費用を指すのですが、相続で取得した不動産を3年以内に売却した場合には、取得費加算の特例が適用され、相続税額のうち一定金額を取得費に加算することができます。

不動産は保有しているだけで固定資産税などのコストがかかってしまうため、活用していない場合には3年以内に売却できるよう早めに売却活動を進めるのが得策です。

その2:被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例

被相続人が住んでいたマイホーム(居住用財産)を売却し、一定の要件を満たす場合に、譲渡所得から最高3000万円まで控除できる制度です。

「1981年5月31日以前に建築されたこと」「一定の耐震基準を満たしていること」「相続から譲渡までの間に、事業や貸付や居住いずれの用途でも用いられていないこと」といった一定の要件を満たしていることが適用の条件となります。

紹介した2つのほかにも、相続した不動産を売却した場合に適用される特例はいろいろありますが、条件や必要書類が複雑なケースが多いので、相続額が大きい場合には専門家である税理士に任せられると安心です。納税を期間内に完了しなかった場合には、無申告加算税などペナルティーが発生する恐れもあります。この観点においても、税理士に依頼するメリットは大きいといえるでしょう。

新潟の不動産売却に関するご相談はニュータウンエステートへ

いかがでしたか?今回は、相続した不動産を売却する流れについて詳しく説明しました。

短い期間に多くの手順を踏む必要があり、手間と労力がかかりますが、スムーズに手続きを進めるために一つひとつの工程を確実に進めていきましょう。

新潟市東区に拠点を構えるニュータウンエステートでは、新潟市内を中心に幅広い不動産の売買を手掛けております。譲りたい方から譲り受けたい方への橋渡しになれるよう丁寧にサポートさせていただきますので、不動産売却を考えている方はお気軽にご相談ください。

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