お役立ちコラム

土地を売却する際に欠かせない「査定」。ひと言で「査定」といっても、実はいろいろな査定方法があることをご存知でしょうか？今回は「土地を売却したい」と考えている方へ、査定方法や土地売却の流れ、新潟の土地売却状況を分かりやすく解説していきます。

土地売却における査定の種類とチェックポイント

査定とは、3カ月以内に売れる土地の価格を不動産会社に見積もってもらうことです。3カ月というのは不動産売却にかかる平均的な期間のことで、査定額は市場価値に見合った相場を表します。

土地査定の目的は、「適切な相場を把握すること」「仲介を任せる不動産会社を選ぶ判断材料を集めること」の2点です。確実に売却するためには、やりとりを行う担当者（不動産会社）選びが肝心です。査定額の妥当性や根拠、担当者の対応をチェックして、信頼できる不動産会社と契約しましょう。

査定方法の種類とそのメリット・デメリット

土地の査定方法にはいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。どのような目的で査定したいのかによって選択肢は変わりますので、まずはその特性を確認していきましょう。

査定方法	概要	メリット	デメリット
鑑定評価	不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること。国家資格である不動産鑑定士が行う。 遺産相続や離婚時の財産分与に採用される。	・公的評価として使われる	・査定に費用がかかる（20万円〜30万円程度） ・売却相場ではない
匿名査定	個人情報の記載不要。メールアドレスの入力だけで行える査定。査定したい土地の情報を入力することで、おおよその査定額を算出する。	・個人情報不要で、気軽に査定を依頼できる ・希望しない限り、不動産会社から連絡が来ない	・査定結果の精度が低い
査定シミュレーション	査定したい土地の情報を入力することで、似たような物件の価格がわかる方法。AI査定とも呼ばれる。	・すぐに結果が分かる	・査定結果の精度が低い
★机上査定 （簡易査定）	不動産会社が行う査定。土地のデータをもとに、市場価値を算出する。	・売却相場が分かる ・すぐに結果がわかる	・査定結果の精度は訪問査定と比較すると低い
★訪問査定	不動産会社が該当の土地を訪れて行う査定。簡易査定の項目に加えて、土地の状態や日当たり、周辺環境なども踏まえて算出する。	・最も売却相場に近い査定結果が分かる	・場合によって立ち合いが必要なため、手間と時間が掛かる

Web上のサービスが充実している今、気軽に査定できる簡易的な方法は多数あります。しかし、土地の価格には立地や周辺環境も影響するため、売却を決断したら訪問査定は欠かせません。その前段階で「土地を売ったらどれくらいの価格になるか」を確認したいという場合には、机上査定がおすすめです。

査定前に確認すべき項目

続いて、査定前に確認しておくべき項目を解説します。土地をはじめとする不動産を売却する際には、権利情報を明確にする必要があります。そのため、査定前には次の項目を確認しておきましょう。

• 土地の名義人
• 土地の境界線（隣地との境目）
• 査定に必要な書類

住宅の場合は築年数や設備など様々な条件が考慮されますが、土地の場合は面積や立地、土地の形状が査定額に影響します。

土地の境界線が曖昧になっている場合には、土地の売却価格に関わるだけでなく、隣人とのトラブルに発展することも考えられます。ブロックや塀で遮られていても「本当の境目は違った」という事例もありますので、法務局で土地の情報を調べたり、専門家である測量士に調査を依頼したりすることで、早めに解消しておきましょう。

査定時に用意する書類については、「不動産を売却する時に必要な書類とは？取得場所や取得方法もチェック」で詳しくご案内しています。こちらも合わせて参考にしてください。

査定額が決まるポイント

不動産会社が行う査定では、さまざまな条件を組み合わせて査定額を算出します。不動産会社がチェックしている評価ポイントは、下記の通りです。

◆土地の形
使いやすい四角形で平らな土地であるほど、高値がつきやすい傾向があります。反対に、傾斜地や不整形地、道路に接している出入り口部が狭い旗竿地などは、使い道が限られるため安価になりがちです。

◆最寄り駅・主要道路までの距離
近くに主要駅があるほど、土地も高く評価されます。新潟のように車社会の地域では、道路状況なども重要なポイントです。

◆公共・公益施設までの距離
市役所・役場や教育機関、公園といった公的施設が充実しているほど評価は高まります。周辺にスーパーやコンビニエンスストアがそろっている場合もプラス評価になるでしょう。

◆周辺の住宅環境
特に住宅地の場合は、周辺環境も重要です。暮らしていく上で気になる治安や自然環境などを確認します。

◆眺望・景観・日当たり
土地の活用方法を考える上で大切なポイントです。日当たりが良く、景観のいい土地は買い手が見つかりやすい傾向があるため、高く評価されます。

◆地中の状態
土地の査定では、地中の状態も確認します。地盤の強度や埋設物の有無も取引時において重要なチェック項目になります。

◆嫌悪施設の有無
騒音や振動、悪臭が発生する施設や、心理的に忌避される施設が近くにある場合は、マイナス評価を受けるケースがあります。

土地売却時に知っておきたい注意点

不動産会社による査定が終わったら、仲介を依頼したい不動産会社を選び、媒介契約を結びます。その後売り出し価格を決め、不動産会社がポータルサイトやチラシなどを用いて売却活動を実施。土地の購入希望者が現れたら売買契約を結び、土地を引き渡すという流れになります。

ちなみに、売却したい土地が一般的な宅地ではない場合は、この他にも検討しなければいけないことがあります。ご自身が売却したい土地が、次のケースに当てはまっていないか確認しておきましょう。

古い家が建っている場合

古い家が建っている場合、建物を解体して更地にするべきか検討が必要です。売却時に、古い家をそのままにして「古家付き土地」とするか、古い家を解体して「更地」にするかの2パターンで購入希望者の印象が変わります。更地にすると土地は売れやすくなりますが、建物を壊すとなると解体費用がかかります。売却が完了するまでの固定資産税も更地の場合は最大6倍掛かる恐れも。場合によっては買主と解体費を折半するという方法もありますので、不動産会社の担当者とよく相談しましょう。

市街化調整区域の場合

市街化調整区域とは、市街地が広がらないように制限されたエリアのことで、原則新しく建物を建てることができません。新しく建物を建てたり、建物のリフォームを行う場合には、行政による開発許可が必要です。そのため、市街化調整区域を売却したい場合は、最初に開発許可が取れるか確認をしましょう。

農地に指定されている場合

土地が農地の場合、売却の許可をもらう必要があります。農地の区分は細かくあり、種類によっては農業委員会の許可をもらえないと売却できないケースがあるのです。許可は必要なくても届け出が必要な農地もあるので、その場合には不動産会社と相談して許可を取りに行きましょう。ちなみに「農地」とは実際に農業を行なっている土地ということではなく、国で指定された土地を指します。

賃貸中の土地を売却したい場合

貸し出している土地を売却したい場合は、借地契約の内容を確認しましょう。借地権にはいくつかの種類があり、普通借地権であれば地主の一方的な契約解除はできず、土地がなかなか返還されないこともあります。定期借地権であれば、期限が設けられているので、契約内容によっては更地にして土地を返してもらうことも可能です。契約内容と合わせて、契約満了の時期も調べておきましょう。

新潟県内の最新不動産売却情報

最後に、新潟県の土地取引の近況をご案内します。近年では、都市部への人口集中や少子高齢化により、新潟県内でも土地売却のご相談が増えています。

土地の売却価格が最も高いのは新潟市

新潟県内で1㎡あたりの土地売却価格が特に高いエリアは新潟市。県全体の平均と比較しても、かなり高い水準をキープしています。再開発が進んでいるJR新潟駅がある中心部に近いエリアでは地価の上昇が見られますが、同じ新潟市内でも市場評価にはばらつきがあり、区によって平均値が大きく異なります。

◆新潟県内の1㎡あたりの売却価格が高いエリアランキング

1位	新潟市中央区	36万円/坪
2位	新潟市西区	19万円/坪
2位	新潟市東区	19万円/坪
4位	新潟市江南区	15万円/坪
5位	新潟市秋葉区	12万円/坪
6位	長岡市	11万円/坪
7位	新潟市南区	9万円/坪
8位	三条市	8万円/坪
8位	新潟市北区	8万円/坪
8位	燕市	8万円/坪

参考：国土交通省「不動産取引価格情報」

2022年の地価調査によると、新潟県内の地価は全用途平均で平成8年から27年連続の下落となりましたが、下落率は前年より縮小しています。利便性や居住性の高い都市部に人気が集中している一方で、農村部では過疎化が進んでいます。

地価の下落傾向は今後も加速すると予想されるので、土地の売却を検討されている方は早めに対処しましょう。

新潟の不動産買取・売却に関するご相談はニュータウンエステートへ

今回は、土地を売却するために欠かせない査定について詳しくご説明しました。査定方法によるメリット・デメリットや査定のポイント、注意が必要な土地のパターンなど、売却時に欠かせない基礎知識をまとめてお届けしました。

当社・ニュータウンエステートでは、新潟市内を中心に幅広い不動産の売買を手がけております。譲りたい方から、譲り受けたい方への橋渡しになれるよう丁寧にサポートさせていただきますので、不動産売却を検討されている方はお気軽にご相談ください。

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